25万V直流の海底ケーブルを守れ!
紀伊水道を渡る電気
四国電力管内で発電された電気は、紀伊水道直流連系設備を経由し、関西全域へと届けられます。
この設備は阿南変換所(徳島県阿南市)から海底ケーブルを通じて由良開閉所(和歌山県由良町)、そして紀北変換所(同かつらぎ町)までを結ぶ送電設備です。この区間は、たくさんの電気を送るために直流送電が採用されています。
1996年から2000年にかけて行われた工事の際には、亘長46.5kmにもおよぶ海底ケーブルの布設および埋設に、鋤(すき)式埋設機「ホエール号」や岩盤掘削機「岩堀号」の開発、イタリアの海底ケーブル布設専用船「ジュリオ・ベルネ号」の採用をはじめとした、工期短縮を図るための様々な工夫がなされました。
紀伊水道直流連系設備は2000年6月に運用を開始し、15年近くたった今でも、静かな紀伊水道の海底に、どっしりと構えたケーブルを通って、四国からの電気が関西に届けられています。
海底ケーブルと架空送電線をつなぐ由良開閉所
和歌山県のほぼ中央に位置し、青い海と白い岩礁に囲まれた美しい町、和歌山県日高郡由良町。ダイビングスポットや釣り場の名所として知られる白崎海岸の近くに、由良開閉所はあります。
由良開閉所は、阿南変換所からの48.9kmの地中送電線(うち海底部46.5km)と、紀北変換所までの50.9kmの架空送電線を接続する架地接続設備として建設されました。
由良開閉所は海岸部に近いことから、機器を塩害から守るために全ての機器を建物内部に納めています。
紀伊水道を渡ってきた海底ケーブルは、地下トンネルを通り、由良開閉所で建物内に引き込まれ、変電機器に接続された後、アルミパイプ状の導体で直径11メートルの開口部を通り、架空送電線に引き出されていく構造になっています。
静かな海の底から届けられる電気を守るために
こうした設備を健全な状態に維持し、電気を安定してお届けするため、ここ、由良開閉所では、制御用の監視装置も含め、海底ケーブルの点検・保守を行っています。
地下トンネルを通るケーブルおよびトンネル本体に不具合が生じていないか、作業員がトンネルの端から端まで徒歩で移動しながら地道に点検作業を行います。
静かな海の底から届けられる電気を守るために、今日も作業員は五感を研ぎ澄まして作業にあたります。
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