発電量調整供給の概要と要件等

1.発電量調整供給とは

発電量調整供給とは、発電契約者が小売電気事業等のために発電した電気を当社が受電し、当社が維持および運用する供給設備を介して、同時に、その受電した場所において、当該発電契約者に、当該発電契約者があらかじめ当社に申し出た量の電気を供給することをいいます。

発電量調整供給とは

2.発電量調整供給契約をお引き受けする要件

発電量調整供給契約を希望される場合は、次の要件を満たしていただきます。

  • 発電契約者が、当社にあらかじめ通知する小売電気事業等の用に供する電気の電力量の計画値(発電量調整受電計画電力量)に応じた電気を供給すること。
  • 発電者が発電する電気が当社が行う託送供給に係るものであること。
  • 発電者が電気設備を当社の供給設備に電気的に接続するにあたり、電気設備に関する技術基準、その他の法令等に従い、かつ、系統連系技術要件を遵守して、当社の供給設備の状況等を勘案して技術的に適当と認められる方法によって連系すること。
  • 高圧または特別高圧で受電する場合は、発電契約者および発電者が当社からの給電指令に従うこと。
  • 発電契約者が、発電者に託送供給等約款における発電者に関する事項を遵守させ、かつ、発電者がこの約款における発電者に関する事項を遵守する旨の承諾を得ること。

3.発電量調整供給契約のお申込みと契約の締結

発電量調整供給を希望される場合は、発電契約者から当社の専用窓口である「ネットワークサービスセンター」にお申込みをしていただきます。

発電量調整供給契約のお申込みに先立ち、発電設備の接続に関する検討のお申込みをしていただきます。当社は、接続に必要な供給設備工事の要否等を検討し、原則として、1受電地点1検討につき20万円に消費税等相当額を加えた金額を検討料として申し受けます。

発電量調整供給契約のお申込みをしていただいた後、当社は、発電契約者と契約内容について協議し、発電量調整供給の開始日を定め、発電量調整供給契約を締結いたします。

当社は、法令、電気の需給状況、供給設備の状況、料金の支払状況その他によってやむを得ない場合には、発電量調整供給契約のお申込みの全部または一部をお断りすることがございます。

4.発電量調整供給契約の単位および契約期間

あらかじめ定めた発電場所および発電バランシンググループ(※1)について、1発電量調整供給契約を結びます。
なお、低圧の受電地点に係る発電場所は1発電バランシンググループに属するものといたします。

※1 発電バランシンググループとは、発電量調整供給に係る電力量を算定する対象となる単位で、発電契約者があらかじめ発電量調整供給契約において設定するものをいいます。

契約期間は、契約が成立した日から、発電契約者の申込内容に基づき、発電契約者と当社との協議により定めた日までといたします。

5.発電量調整供給の実施

発電契約者は、発電量調整供給の実施に先立ち、年間、月間、週間、翌日および当日の発電計画等を電力広域的運営推進機関を通じて当社に通知していただきます。

発電契約者は、30分毎の発電量調整受電計画電力量と、その発電の実績値(発電量調整受電電力量)が一致するようにしていただきます。

6.系統連系受電サービス料金(発電側課金)とは

制度概要

発電側課金は、電力系統を効率的に利用するとともに、再生可能エネルギー導入拡大に向けた系統増強を効率的かつ確実に行うため、現状は小売電気事業者等が負担している送配電設備の維持・拡充に必要な費用について、系統利用者である発電事業者等に一部の負担を求め、より公平な費用負担とする制度です。

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現行の託送料金制度、発電側課金の導入後(イメージ)

系統連系受電サービス料金(発電側課金)の対象

国の審議会の整理により、受益と負担の観点から、特定の電源に有利・不利が生じないよう、系統に接続し、かつ、系統側に逆潮させている電源全てを課金対象とすることを基本とされています。
一方で、最大受電電力が10kW未満と小規模な電源(例:住宅用太陽光発電)であり、実際の逆潮が10kW未満の場合や2024年3月31日までに認定を受け、または、落札を受けたFIT/FIP電源の場合は、当分の間、課金対象外であると整理されています。

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系統連系受電サービス料金(発電側課金)の対象(イメージ)

系統連系受電サービス料金(発電側課金)の概要

系統連系受電サービス料金(発電側課金)は、基本料金(kW課金)と電力量料金(kWh課金)による二部料金制としています。
需要と発電(逆潮)が同一地点にある場合は、需要側の順潮kWを上回る発電側の逆潮kW分を、基本料金としてご負担いただきます。
また、kWh分については、発電量調整受電電力量を測定するメーターの計量値により、電力量料金としてご負担いただきます。ただし、揚水式水力発電所および蓄電池は、国の審議会における整理に基づき、電力量料金を免除いたします。

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課金対象となるkW(需要を上回る逆潮kW分)(イメージ)

系統設備効率化割引制度

系統設備効率化割引制度は、電源が送配電設備の整備費用に与える影響を基本料金に反映させるものであり、潮流改善に資する電源投資が進み、それが適切に維持されることで、より効率的な送配電投資につなげるとともに、より公平な費用負担とすることを目的としています。
そこで、基幹系統に与える影響に着目した系統設備効率化割引A(基幹系統投資効率化・送電ロス削減割引)、配電系統に接続する電源を対象とし、特別高圧系統に与える影響に着目した系統設備効率化割引B(特別高圧系統投資効率化割引)を設定します。

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系統設備効率化割引制度(イメージ)

割引Aの対象地域は、基幹変電所・開閉所単位で区分し、割引Bの対象地域は、配電用変電所単位で区分します。割引対象地域・割引単価は、基本料金単価(kW課金)や電力量料金単価(kWh課金)と同様、原則として、レベニューキャップの規制期間ごとに見直すこととなります(※2)
また、需要地近接性評価割引制度は、卸電力取引市場への販売や一般送配電事業者のエリアを越えた取引等には適用されないことに加え、系統設備効率化割引制度と主旨や割引の考え方が重複している面もあることから、発電側課金の導入に伴い、廃止いたします(※3)

  • ※2 発電側課金における規制期間とレベニューキャップ制度の規制期間は同じ期間とすることから、割引制度も同様の扱いとなります。ただし、第1期間は2024年度~2027年度とします。
  • ※3 ただし、需要地近接性評価割引の適用を受けていた電源については、経過措置として、次の割引対象地域の見直し時まで、引き続き割引対象とします。

系統連系受電サービス料金(発電側課金)のお支払い方法

系統連系受電サービス料金(発電側課金)は、発電量調整供給契約の仕組みを活用して、お支払いいただきます(※4)。国の審議会の整理により、系統利用者である発電者にも送配電関連費用に与える影響(受益)に応じた費用負担を求めるものであり、その支払義務については個別の発電者が負うことが基本とされています。
一般送配電事業者と発電量調整供給契約を直接契約している発電者については、一般送配電事業者に直接系統連系受電サービス料金(発電側課金)をお支払いいただきます。
また、発電BGに属して直接には発電量調整供給契約を締結していない発電者については、発電BGの代表者経由で系統連系受電サービス料金(発電側課金)をお支払いいただきます(※5)。このとき、発電者から発電BGの代表者に対して、一般送配電事業者に対する系統連系受電サービス料金(発電側課金)の支払業務を委託することで、発電BGの代表者の発電者に対する委託費用前払請求権(発電側課金相当額)と電力買取に係る債務を相殺することも可能です。

  • ※4 2024年4月1日以降に認定を受ける、または落札されるFIT電源は、発電量調整供給契約の仕組みではなく、当社の「再生可能エネルギー発電設備からの電力受給契約要綱における接続契約」の仕組みを活用して、系統連系受電サービス料金(発電側課金)をお支払いいただきます。
  • ※5 一般送配電事業者と発電BGの代表者が、代理回収委託契約を締結している場合である。一般送配電事業者と発電BGの代表者が、代理回収委託契約を締結していない場合、発電者は、一般送配電事業者に直接系統連系受電サービス料金(発電側課金)をお支払いいただきます。

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発電側課金の課金・回収(イメージ)

7.発電量調整供給における料金

発電量調整受電計画差対応補給(余剰)電力料金

30分毎の発電量調整受電電力量と、発電量調整受電計画電力量が一致しない場合の料金

30分毎の発電量調整受電電力量と発電量調整受電計画電力量との差分(AもしくはB)に応じて、発電量調整受電計画差対応補給(余剰)電力料金単価(※6)を適用して、下記の式により得られる料金の1月の合計金額とします。
なお、発電量調整受電計画差対応補給電力料金および発電量調整受電計画差対応余剰電力料金はそれぞれに算定いたします。

発電量調整受電計画差対応補給(余剰)電力料金 = AもしくはB × 発電量調整受電計画差対応補給(余剰)電力料金単価

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発電量調整受電計画差対応補給(余剰)電力量
  • ※6 発電量調整受電計画差対応補給(余剰)電力料金単価とは、託送供給等約款料金算定規則27条に基づきインバランス料金(※7)として算定される金額に消費税等相当額を加えた金額をいいます。
  • ※7 インバランス料金とは、同時同量を達成できない場合に発生する差分(インバランス)に対する料金であり、調整力のkWh価格に連動した30分毎の料金単価を用いて算定いたします。
    2022年4月1日以降は、新たなインバランス料金制度の開始に伴い、インバランス単価の算定方法が変更となっております。
    インバランス料金単価についてはこちらをご確認ください。

給電指令時補給電力料金

給電指令の実施により電気を補給する場合の料金

給電指令の間、30分毎の給電指令時補給電力量に、給電指令時補給電力料金単価(※8)を適用して、下記の式により得られる料金の1月の合計とします。
なお、給電指令時補給電力量は、発電量調整受電計画差対応補給電力量と同様の算定方法により算定いたします。

給電指令時補給電力料金 = 給電指令時補給電力量 × 給電指令時補給電力料金単価

※8 給電指令時補給電力料金単価とは、託送供給等約款料金算定規則27条に基づきインバランス料金として算定される金額に消費税等相当額を加えた金額をいいます。

系統連系受電サービス料金(発電側課金)

受電地点ごとに、発電BGごとに算定された基本料金および電力量料金の合計から系統設備効率化割引額を差し引いて得られる料金の1月の合計とします。

系統連系受電サービス料金(円) = (系統連系受電課金対象電力(kW)(※9) × 基本料金単価(円/kW) + 発電量調整受電電力量(kWh) × 電力量料金単価(円/kWh)) - 系統連系受電課金対象電力(kW) × 系統設備効率化割引単価(円/kW)

※9 原則として、同一地点にある発電側の逆潮kW(同時最大受電電力)と需要側の順潮kW(接続送電サービス契約電力(※10))の差し引きにて算定します。課金対象電力kWが0kWの場合にも、電力量料金は発生します。また、最大連系電力等(実際に逆潮流する電力)が同時最大受電電力を上回った場合、その超過kW(※11)に基本料金の単価を乗じて得た金額の1.5倍に相当する額を申し受ける場合があります。

※10 託送供給等約款で定義される需要側の契約上、使用できる最大電力のことであり、メーターで計量された実量値から定める場合と小売電気事業者等との協議から定める場合がございます。

※11 逆潮kWから、(発電側)同時最大受電電力kWもしくは(需要側)接続送電サービス契約電力のいずれか大きい方を差し引いて得られる電力等

8.適正契約の保持について

発電量調整受電電力が契約受電電力を超える場合等、発電量調整供給契約が発電状態に比べて不適当と認められるときには、契約内容および契約受電電力をすみやかに適正なものに変更していただきます。

9.工事費負担金

発電量調整供給の実施にあたり、当社の供給設備に工事が必要となる場合は、工事費負担金を申し受けます。

10.その他

この「発電量調整供給の要件等」の頁は、概要を掲載したものであり、その詳細については、託送供給等約款および系統連系技術要件等によります。