電気の安定供給を担う両輪「中央給電指令所」と「基幹系統給電所」
両輪を確実に回していくために
お客さまに品質の良い電気を安定的にお届けする給電運用業務では、(1)電気の使用量と発電量のバランスを保つ役割(需給運用)を担う中央給電指令所と、(2)電気の流れる道すじを守る役割(系統運用)を担う基幹系統給電所が両輪となり、24時間365日電気のコントロールを行っています。
この中央給電指令所と基幹系統給電所をはじめとした、電気の安定供給を司る部門では、緊急時にいち早く確実な対応を行うためのさまざまな訓練を定期的に行っています。
事故時のすばやい復旧に向けて
自然災害による事故などの不測の事態でも、迅速かつ的確な対応を行うために、訓練シミュレータを用いて事故復旧訓練を行い、所員の技術力維持向上に努めています。
10月末、基幹系統給電所とともに電気の流れる道すじを守る支店・支社給電制御所のほか、原子力発電所や火力発電所等が参加する大規模な事故復旧訓練が計3回行われました。
今回の訓練は、雷が原因となり、大規模な電源脱落や広範囲にわたる停電の発生を想定して行われました。
事故状況の把握、それを踏まえた復旧操作の検討、的確な指令を迅速に行わなければいけないという緊張感の中、「一刻も早い復旧を!」という強い想いを持ち、所員同士が声を出し合い一丸となって訓練に取り組みました。
落雷は系統事故の原因の約8割(2012年度実績)を占めており、事故想定訓練だけではなく、雷事故による影響の軽減に向けてもさまざまな取組みに努めています。
どんなときでも安定した電気をお届けするために
中央給電指令所(大阪府)と基幹系統給電所(京都府)では、相互のシステムを統合・連携しながら拠点を分散して配置しています。
どちらかの事業所でシステムダウンや災害などの問題が生じた際には残る事業所側に機能を集約することで、所員が移動せずに業務が継続できるバックアップシステムを構築。
所員は緊急時に備えて、相互に業務の代行をスムーズに行うことで電気の安定供給を維持できるように定期的に訓練を行っています。
両輪を守るための"相互バックアップ訓練"
10月、中央給電指令所と基幹系統給電所では計5回の相互バックアップ訓練が行われました。
今回行われた訓練では、地震・火災等による拠点の被災時やシステム故障等により、業務代行の必要が生じたという設定のもと、相互にシステムを切り替え、中央給電指令所の所員が系統運用業務を、基幹系統給電所の所員が需給運用業務を行いました。
1日の中でも、電気の使用量の変動が大きい午前12時前後には、所員全員に緊張の糸が張り詰め、「周波数上昇!発電機解列せよ!」「発電機解列、了解!」と各発電所へ指令を送るための確認の声が飛び交い、発電所の出力を調整する装置を設定する音が響きました。
訓練を通して、所員たちはシステム操作の習得、バックアップ業務における技能および知識の維持向上に努めています。
訓練は本番のように、本番は訓練のように
このように、自然災害やシステムダウンなどの万が一の事態に備えて、電気のコントロールセンターである中央給電指令所と基幹系統給電所では、「訓練は本番のように、本番は訓練のように」と、緊張感と冷静さを持って事故復旧訓練や相互バックアップ訓練を行うことで、電気のさらなる安定供給に努めています。
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