超高圧50万ボルト変電所・開閉所の遠隔監視制御化プロジェクト
発電所で作られた電気は、50万ボルトや27万5000ボルトなどの高い電圧にして消費地の近くまで送られた後、「変電所」で適宜電圧を調整してからご家庭や工場、ビル等に届けられています。また、落雷や暴風等により送電線に事故が発生したときには、「変電所」や「開閉所」で電気の流れを切り替えて、お客さま設備への悪影響や当社設備への損傷を最小限にとどめています。
当社はこれまで、継続的にこれら設備の効率的な運用に取り組み、制御・通信技術の進歩とともに、27万5000ボルト以下の電気を扱う変電所・開閉所については、一部を除き、遠隔監視制御による無人運用を行ってきました。その一方で、当社供給エリアに17箇所ある、50万ボルトの電気を扱う大規模なものについては、有人体制での監視制御が続いていました。
こうした中、これまでの遠隔監視制御の実績や制御・通信技術のさらなる高度化をもとに、より一層の設備運用の効率化を図るべく、現在、段階的に50万ボルト変電所・開閉所を遠隔監視制御化するプロジェクトが進行中です。このプロジェクトは、当社供給エリアを電気の大消費地毎に東部・西部・南部の3エリアに分け、それぞれのエリアに新たな運転・保守の拠点となる「基幹制御所」を設けることで、2019年までに全ての50万ボルト変電所・開閉所の遠隔監視制御化を行うというものです。
このプロジェクトの一翼を担ったのが、高度なシステム保全スキルを持ったメンバー3名で結成されたチーム「SWAT2」です。「SWAT2」は、Soft Ware Audit & Technical Team(ソフトウェア監査技術集団)の略で、このチームが基幹制御所システムに関する技術のキーマンとなり、各種マニュアルの作成や勉強会の実施等を主体的に行うなど、システム保全のスキルアップに寄与しました。
2014年2月、第一弾として京都府や滋賀県を中心に管轄する「東部基幹制御所」が、2015年12月、第二弾として大阪府北部や兵庫県を中心に管轄する「西部基幹制御所」が運用を開始しました。豊かな自然に囲まれた「西部基幹制御所」は、巨大な設備が立ち並ぶ「猪名川変電所」に隣接する形で新設されました。猪名川変電所を含め50万ボルト変電所・開閉所の遠隔監視制御を担う基幹制御所システムの新設にあたっては、最新鋭のサーバや操作卓、系統監視盤等が導入されました。
本プロジェクトは、50万ボルト変電所・開閉所の機能集約に伴い設備運用の効率化に寄与するだけではなく、3箇所の基幹制御所が相互にバックアップ機能を果たすこと等により、従来体制よりも高い供給信頼度を保持することにも貢献しています。当社は引き続き、安全・安定供給と、設備運用の効率化に向けて最大限の努力を積み重ねてまいります。
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