おくりんの電気教室

配電について

配電とは、変電所に送られてきた電気を、みなさんの家へ送り届けること。そのために必要な設備が「電柱」や「配電線」です。これらの配電設備について説明しましょう。

電柱と配電線について
電柱と配電線について

電柱の設備

電柱には、配電線や電圧を下げるための「柱上変圧器(ちゅうじょうへんあつき)」や、配電線から電柱に電気が流れないようにする「がいし」などさまざまな設備が取り付けられています。

  • 柱上変圧器…6600Vの高圧の電気を100Vまたは200Vの低圧に変える装置。
  • がいし…電線から電柱に電気が流れないようにするもの。
  • 支線・支柱…電柱にかかる力のバランスを取り、電柱がたおれないようにするための設備。電柱と地面をつなぐ「地支線」や「支柱」のほか、電柱と電柱をつなぐ「水平支線」がある。
  • 高圧配電線…電柱の高い位置に、主に横並びに3本通っている電線。6600Vの電気を運ぶ。
  • 低圧配電線…高圧配電線より低い位置に、主に縦並びに3本通っている電線。100Vと200Vの電気を運ぶ。
  • 高圧カットアウト…柱上変圧器の近くに設置されている器具。雷(かみなり)などで異常な電流が流れた時に切りはなすことで、柱上変圧器を保護する役割を持つ。
  • 架空(かくう)地線…電柱のてっぺんに設置されている設備で、避雷針(ひらいしん)の役割を持つ。
  • 引込(ひきこみ)線…電柱からみなさんの家に電気を引きこむための線。

この他にも、「3本の電線を10mくらい間隔でつないでいるひものようなもの」を見かけることがあるでしょう。これは、「落線防止機材」といって、1本の電線が切れてしまった場合でも、他の電線が支えることで切れた電線が地面まで落ちないようにするためのものです。

柱の種類
柱の種類

みなさんが街でよく見かける電柱は「コンクリート柱」と呼ばれる電柱です。
その他には、木材を用いた木柱(もくちゅう)や、せまくて資材を運ぶのが難しい場所に建設する組立鋼管柱(こうかんちゅう)などもあります。
電柱を建てる場所がどんなところかをよく考えて、その場所ごとに最適なものが使われています。

電柱番号

電柱には、「電力柱」や「電信柱」などがあり、一本一本に「電柱番号」がついていることを知っていますか? 電柱番号を見れば、電線がかかっている「電力柱」か、インターネットや電話などの通信線がかかっている「電信柱」か、電線と通信線がかかっている「共用柱」かを、簡単に見分けることができます。
関西地域にある電柱で、関西電力送配電のマークや、東西南北を示す「E」「W」「S」「N」といったアルファベットの文字が書かれている番号の場合は、関西電力送配電が管理する電力柱です。
NTT西日本のマークや「L」「R」といったアルファベットが書かれている番号の場合は、NTT西日本が管理する電信柱です。両方の番号が2枚ついているものが共用柱です。共用柱では、原則、電柱番号札が上にある会社が、その電柱の持ち主となります。

配電線

●感電の危険

電線に物がひっかかると、感電事故や停電につながったりする場合があります。たこあげをしたり魚つりをしたりするときは、近くに電線が通っていないか確認しましょう。また、万が一電線に物が引っかかったときは、決して電線や引っかかったものには近づいてはいけません。大人の人に伝えて、関西電力送配電に連絡(れんらく)をしてもらいましょう。
また、切れた電線が垂れ下がったり、電柱が傾いていたりしても絶対に近づかずに、大人の人に関西電力送配電へ連絡をしてもらいましょう。

配電の仕事について
配電の仕事について

みなさんの家に電気を送り続けるためには、電柱や電線、変圧器などの配電設備を維持(いじ)・管理したり、新しく設置したりする業務が欠かせません。このような仕事を行うのが、関西電力送配電の「配電」部門の仕事です。
たくさんの電柱や配電設備を定期的に点検し、古くなった設備があった場合には、その設備がいつまで使えそうかを見極めて改修をするなどしています。
その他にも、電柱や電線に木の枝などが近づいていないか、カラスなどの鳥が電柱の上に巣を作っていないかなどを確認します。そして、必要に応じて電線の張りかえ工事や樹木を切る作業、巣を取り除く作業などを行っています。
また、停電時・災害時の復旧活動なども大切な業務の一つです。自然災害の影響(えいきょう)や、木や鳥が電線に接触(せっしょく)するなどして停電が発生すると、すぐに現場へ出向いて事故の原因を調査し、復旧作業にあたります。

おくりんからのコメント

電柱は身の回りにたくさんありますが、注目してじっくりと見たことがない方も多いのでは? よく見ると電柱にはたくさんの設備で付けられています。それぞれがどのような役割を持っているか、ぜひ家族やお友達にも教えてあげてくださいね。