RAPID計画-米国環境健康科学研究所(NIEHS)の最終報告
米国環境健康科学研究所(NIEHS)
商用周波電磁界への曝露による健康影響に関する米国環境健康科学研究所(NIEHS)のレポート(1999年)
米国において環境健康科学研究所、健康研究所、エネルギー省の監理・監督のもと、電磁界曝露と健康影響の関係を明らかにするために、科学的証拠を提供することを目的とした研究・分析プログラムの最終報告。
取組みの基本項目
- 01.健康影響研究に的を絞った研究プログラム
- 02.情報の編集と公衆への提供
- 03.電磁界曝露による発生する健康障害評価のための評価。
結論
- 電磁界が何らかの健康リスクを有するという証拠は弱い
- 電磁界が完全に安全であるとは認められないが、本当に健康に対して危険であるという確率は小さいと思われる。
- 電磁界が完全に安全であるとは認めることはできないが、積極的な規制をするには、この結果では不十分である。
RAPID計画とは
1992年10月、米国議会がエネルギー政策法に基づいて認可した、電界および磁界の研究と公衆への情報普及計画(Research and Public Information Dissemination Program)のこと。計画は1993年から1998年12月にかけて実施され、1999年6月にNIEHSの最終報告が議会に提出された。
RAPID計画
RAPID計画は、米国環境健康科学研究所(NIEHS:National Institute of Environmental Health Science)が主管官庁となり、電磁界の影響に関する研究および電磁界の広報活動を行ったプロジェクトです。
活動内容としては、米国エネルギー省(DOE:Department of Energy)は電磁界の特性解明やその緩和方策に関する検討、NIEHSは電磁界の健康影響に関する研究の実施および研究間の調整をそれぞれ所管しました。そしてこれらの2つの組織が研究により得られた科学的知見を公衆や政策決定者に広く普及する責任を担いました。
今後、関係省庁委員会(IAC)から報告書が発表される予定となっています。
RAPID計画のスケジュール
RAPID計画に係わる機関
米国環境健康科学研究所
(NIEHS:National Institute of Environmental Health Science)
米国厚生省(DHHS)を構成する組織の中の1つである米国健康研究所(NIH)の下部機関であり、多くの分野にわたる生物医学的研究や広報活動などを行う研究期間。RAPID計画の主管官庁である。
全米科学アカデミー
(NAS:National Academy of Science)
1863年設立。科学および工学の発展と健全利用を目的に、研究に携わるすぐれた学者で構成される民間の非営利学術団体。1992年のエネルギー政策法に基づき、RAPID計画の下で実施された研究プロジェクトの技術的内容の評価検討を担当。
関係省庁委員会
(IAC: Interagency Committee on Electric and Magnetic Fields)
米国エネルギー省(DOE)や米国環境保護庁(EPA)など、連邦機関の代表者からなる大統領設置の委員会。RAPID計画の成果の監視・評価を行い、米国議会に対して報告を行う。
全米電磁界諮問委員会
(NEMFAC:National Electric and Magnetic Field Advisory Committee)
市民グループ、労働組合、州政府、産業界の代表で構成された厚生省長官設置の委員会。RAPID計画の実行に関する助言を行う。
電磁界に対する専門機関の評価など 一覧
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