関西電力の電磁界研究(細胞実験)

遺伝子発現への磁界影響

生物の細胞増殖は、多くの遺伝子によって制御されていますが、これら遺伝子の中にがん遺伝子と呼ばれる遺伝子があり、細胞の増殖の制御に重要な役割を果たしています。このようながん遺伝子が異常に多く生産されたり、普通は活性化(発現)されない細胞で生産されたり、あるいは発現を停止できなくなることが、細胞のがん化の原因の1つと考えられています。もしがん遺伝子の発現が磁界により促されるようなことがあれば、磁界が細胞のがん化のきっかけとなる可能性があります。

そこでこれらがん遺伝子の活性化に磁界が影響を及ぼすかどうかを実験的に調査しました。

実験材料

ヒトのがん組織から分離した細胞

磁界(60Hz)

楕円磁界:10、200,1000,5000ミリガウス

円磁界 :5000ミリガウス

直線磁界:5000ミリガウス

評価した遺伝子

c-mycc-fosc-junと呼ばれる3種類のがん遺伝子

遺伝子発現量の測定

がん遺伝子の発現の結果得られるmRNA、およびタンパク質の2つの量を測定し、磁界を作用させる群と作用させない群とで比較する

実験の精度を高めるために…

  • 磁界発生装置を2つ用意し、磁界を作用させる群とさせない群に分け、磁界以外の条件をそろえて同時に実験を行いました。
  • 1種類の磁界に対して、2~4回の繰り返し実験を行いました。

実験結果

  • いずれの実験においても、磁界を作用させた群と作用させない群との間でmRNAおよびタンパク質の量に統計的に有意な差は見られませんでした。
  • →60Hz、5000ミリガウス以下の磁界が、細胞のがん遺伝子の発現に影響を及ぼすことはありませんでした。

調査研究 一覧