国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の見解
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)

時間変化する電界および磁界へのばく露制限に関するガイドライン
(2010年発表)
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、1998年に作成した電磁波のばく露制限に関するガイドラインを2010年に改定しました。これは、世界保健機関(WHO)の評価結果など最新の科学的知見を反映し、1998年のガイドラインのうち1ヘルツ~100キロヘルツの部分を見直したものです。
※50、60ヘルツでは、200マイクロテスラ(2000ミリガウス)
本ガイドラインは、1998年のガイドラインと同じく、確立された影響をばく露制限の根拠としていますが、確立された影響からばく露制限を計算する際に用いる人体モデルなどに最新の科学的知見を反映させた結果、カイドライン値は下表のとおり変更されています。
フリックしてご覧ください。
周波数 | ガイドライン値 (μT:マイクロテスラ) |
|
---|---|---|
1998年版 | 50ヘルツ | 100 |
60ヘルツ | 83.3 | |
2010年版 | 50ヘルツ | 200 |
60ヘルツ |
最新の科学的知見に基づく国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の電磁波の健康影響に対する見解
低周波の磁界への長期ばく露が小児白血病のリスク上昇と因果的に関連することについての科学的証拠は、ばく露ガイドラインの根拠とするには非常に弱い。
表面電荷の知覚、神経および筋組織の刺激、網膜閃光現象※の誘発が、唯一の十分に確立された健康への影響であり、ガイドラインの根拠とすることができる。
※微弱な光の点滅を視野周辺部に感じる現象で、健康への悪影響とはみなされていない。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)ってどんな組織?
国際非電離放射線防護委員会は放射線防護活動の国際的交流を目的とする国際放射線防護学会(IRPA)の中で、放射線以外の電磁波(非電離放射線)を扱う専門組織です。様々な種類の電磁波に関連する生物影響を調査し、電磁波による健康影響を防ぐために幅広い活動を行っています。そのような活動の1つとして、ばく露限度に関する国際ガイドラインの作成を行っています。
なお、国際非電離放射線防護委員会は世界保健機関(WHO)および国際労働機関(ILO)との協力関係が公式に承認された機関です。
出典
ICNIRPガイドライン『時間変化する電界および磁界へのばく露制限に関するガイドライン(1Hz~100kHz)』(日本語訳)
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