国際がん研究機関(IARC)の見解

国際がん研究機関(IARC)

静的および超低周波電磁界

人の発がん性リスク評価に関するモノグラフ(専門書)Vol.80
静的および超低周波電磁界
身の周りの電磁界と人の健康への影響
(2002年3月発刊)

国際がん研究機関(IARC)では、化学物質や放射線のほか、労働行為なども含め、人に対して発がん性があるのか、あるいは発がん性がないのかを分類しています。

電磁波に関する発がん性の分類

送電線や家電製品に関係する電磁波(超低周波磁界)の発がん性については、世界各国で行われた研究結果より、「人に対する発がん性があると断定する証拠が限られており、動物実験では発がん性があると断定するには不適切な証拠しかない」ことから、グループ2B(人に対して発がん性があるかもしれない」に分類しました。

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動物実験での発がん性データ










発がん性があると断定できる証拠が十分にある 発がん性があると断定できる証拠は限られている 発がん性があると断定するには不適切な証拠しかない
発がん性があると断定できる証拠が十分にある 1 1 1
発がん性があると断定できる証拠は限られている 2A 2B 2B
(超低周波磁界)
発がん性があると断定するには不適切な証拠しかない 2B 3 3

国際がん研究機関(IARC)ってどんな組織?

国際がん研究機関は、化学物質や放射線などの発がんリスクの評価を行い、これらに対するモノグラフ(専門書)を作成するために発足した世界保健機関(WHO)の外部組織です。これまでに、1013例について分類し、そのうち、発がん性があると分類されたものは120種類、残りは、発がん性があるかもしれない、あるいは、不適切な証拠しかないの理由から発がん性の分類が出来ないとしました。なお、従来の発がんハザードの分類は5段階でしたが、2019年1月に、モノグラフの前文の改定版が発表され、「グループ4:おそらく発がん性はない」は廃止されており、4段階の分類になっています。

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グループ 分類基準 ※1 分類結果例 ※2 現在までに分類された
物質等の総数
(2019年9月23日現在)
1 発がん性がある カドミウム、ダイオキシン、大気汚染、アルコール飲料、X線、ガンマ線、アスベスト、ディーゼル排ガス、PCB、タバコ(受動・能動) 120
2A おそらく発がん性がある クレオソート、鉛化合物(無機)、アクリルアミド、赤肉 82
2B 発がん性があるかもしれない 鉛、ガソリン、クロロホルム、漬物、ガソリンエンジン排ガス、超低周波磁界、無線周波電磁界 311
3 発がん性を分類できない カフェイン、原油、水銀、お茶、コーヒー、静磁界、静電界、超低周波電界 500
  • ※1 分類基準は分類の基本的な考え方を説明したものです。
  • ※2 表中の分類結果は、新しい証拠をもとに変わることもあります。

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