最終保障供給料金の見直しに向けた検討状況について(2022/8/3掲載)

最終保障供給料金は、みなし小売電気事業者(関西電力株式会社)が設定している標準的な料金メニューの約2割増しの割高な料金が設定されていますが、至近の燃料価格高騰下において、卸電力市場価格が高騰し小売電気事業者さまの一部の料金メニューが最終保障供給料金よりも割高となり、最終保障供給への申込が増加しています。

本来、セーフティネットとして機能すべき最終保障供給について、自由料金との逆転現象が生じ、適正な価格形成や自由競争が阻害されるおそれがあることから、国の審議会※1において、卸電力市場価格を反映する方針が示されました。この度、みなし小売電気事業者(関西電力株式会社)が標準メニューでの受付再開の見通しを公表したため、お客さまとの電気需給契約の内容を変更する予定です。

変更後の料金には新たに卸電力市場価格を反映することにより、これまでのご請求金額よりも増額となる可能性があることや、小売電気事業者の自由料金よりも割高な料金設定となる方向です。そのため、小売電気事業者※2の自由料金と比較のうえ、契約内容を踏まえて契約先の変更についてご検討いただきますようお願いします。

1.算定方法の変更点

  • ・基本料金に変更はありません。
  • ・電力量料金については、電力量料金単価に基づき算定した金額に、燃料費調整単価に基づき算定した金額を加算・減算したうえで、新たに以下の補正項(単価)に基づき算定した補正額を加算・減算します。

【現 行】 基本料金 + 電力量料金(燃料費調整額を含む)

【変更後】 基本料金 + 電力量料金(燃料費調整額を含む) + 補正項

※別途再生可能エネルギー発電促進賦課金が加算されます。

補正項(単価)の算定方法

  • 補正項
    (単価)
  • 卸電力市場価格
    ※1
  • 託送供給等約款に
    おける電力量料金単価
  • 電気最終保障供給約款に
    おける電力量料金単価
    (燃料費調整額を含む)
  • ※1 一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX)の運営するスポット市場(卸電力取引市場の1つ)における、関西電力送配電供給区域の取引価格(関西エリアプライス)を基に算定。

<加算・減算のイメージ>

①加算される場合

  • ・卸電力市場価格の高騰により、卸電力市場価格に託送供給等約款における電力量料金単価を加算した金額が電気最終保障供給約款における電力量料金単価(燃料費調整単価を加算・減算した値)を上回る場合は、最終保障供給約款における電力量料金から補正項(単価)に基づき算定した補正額を加えたものとする。

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卸電力市場価格:平常時と高騰時

②減算される場合

  • ・卸電力市場価格の下落により、算定期間における関西エリアプライスの単純平均値が2019年度~2021年度で最も安い期間の平均値(2020年4月21日~5月20日の3.51円/kWh)を下回る場合は、電気最終保障供給約款における電力量料金から補正項(単価)に基づき算定した補正額を差し引いたものとする。
  • ・ただし、補正項(単価)を減算した後の電力量料金単価は、当社供給区域におけるみなし小売電気事業者(関西電力株式会社)の公表している標準メニューの電力量料金単価を下限値とする。

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卸電力市場価格:平常時と下落時

  • ※2 スポット市場における関西電力供給区域の取引価格(関西エリアプライス)の単純平均値が2019年度から2021年度で最も安い期間である2020年4月21日~2020年5月20日の単純平均値。
  • ※3 補正項による減算した後の電力量料金単価は、みなし小売電気事業者(関西電力株式会社)の公表している標準メニューの電力量料金単価を下限値とする。

≪補正項(単価)の最終保障供給料金への適用時期≫

当月の電力量料金に前々月21日~前月20日までの卸電力市場価格の実績値から算定された補正項(単価)を適用します。

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補正項(単価)の最終保障供給料金への適用時期

2.その他

国の審議会で示された最終保障供給料金の見直しに関する制度設計専門会合の資料は、電力・ガス取引監視等委員会ホームページの第73回制度設計専門会合(2022年5月31日)資料7「最終保障供給料金の在り方について」をご参照ください。

掲載先:電力・ガス取引監視等委員会HP→開催状況→制度設計専門会合→令和4年5月31日配布資料

3.お問い合わせ先

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