こんなことも教えて!

送電線の電線本数と電磁界の関係は?

電線本数に比例して電磁界が大きくなることはありません。

送電線

送電線は,3本の電線を1組として電気を送っています。

変化

各電線(1,2,3)の電気は,電圧,電流,周波数は同じですが,時間的なズレがあります。
この三つの電気には,ある時間における大きさを加え合わせると「0」になるという特性があります。
このような電気の送り方を三相交流方式と呼んでいます。

送電線

3本の電線から発生する電界,磁界もそれぞれ同様な特性を持っています。
また電界,磁界には電圧,電流にそれぞれ比例し,距離に反比例するという特性もあります。

これらの特性から,電界や磁界を計測する場合,各電線までの距離が等しければ電界や磁界は打ち消しあって「0」になりますが,実際にはそれぞれの電線までの距離は異なるため,電界や磁界が計測されることになります。

このように送電線からの電磁界には,お互いが打ち消し合うという作用があり,電線本数が多くなってもこの作用が働くため,電線本数に比例して電磁界が大きくなることはありません。

送電線の電磁界も電子レンジのような影響があるの?

電子レンジのように物を加熱する作用はありません。

電子レンジ

電子レンジ
2.45GHz

電磁波の仲間には,色々な周波数のものがありますが,送電線は,50/60ヘルツと極めて低い周波数で,電磁波と区別して電磁界と言われています。
一方,電子レンジに使用されている電磁波の周波数は,2.45ギガヘルツ(24億5千万ヘルツ)と非常に高く,マイクロ波と呼ばれる領域のものです。

電子レンジの原理

擦りあって、その摩擦で熱を発生
[電子レンジの原理]

電子レンジの中に放射されたマイクロ波は,食品中の水の分子を振動させてその時に生じる摩擦熱で食品を加熱調理します。

それに対し,送電線からの電磁界のような低い周波数には,マイクロ波のような性質はなく,電子レンジのように物を加熱する作用はありません。

電気の消費量の増加に伴って、小児白血病が増えてきているのでは?

過去30年にわたってスウェーデンで白血病を発病する児童の数に,増加傾向は見られません。

その間に総電力消費量は,数倍に増えています。

同じ期間に家庭の電力利用は約10倍に増えています。

スウェーデンでは,電気の消費量が増えているのに小児白血病の患者数が過去30年間変わらないことから,このデータを見る限り両者の関係は見られないことがわかります。

スウェーデンの場合

(柱状グラフ)   スウェーデンの年間の小児白血病患者数

(折れ線グラフ)  総電力消費量、億kwh/年

出典:スウェーデン国家職業安全衛生局資料 他

日本でも小児白血病および小児の全がん(すべてのがんの合計)の死亡率は,ともに1965年をピークに減少しています。

その間に総電力消費量は数倍になっています。

小児の全がん(すべてのがんの合計),白血病とも死亡率は減少しているのに対し,電力消費量は年々増大していることからこのデータを見る限り両者の関係は見られないことがわかります。

日本の場合

日本の全がん、白血病による死亡率の推移および使用電力量の推移

※出典
死亡率:人口動態統計(厚生省大臣官房統計情報部編)小児は0~14才とした
使用電力量:電気事業便覧(通商産業省資源エネルギー庁公益事業部監修)

アメリカやデンマークにおいても使用電力量の増加と小児白血病との間には、一致した傾向がないことが報告されています。
(Jackson JD 1992 Olsen BMJ 1995)

携帯電話で医療機器が誤作動したと聞いたけど、電磁界が健康に影響する証拠では?

人の生命を脅かす可能性があるかもしれませんが,直接的に人の健康に影響を与えるものではありません。

この現象は,携帯電話の電波が雑音として医療機器に入り込み,誤動作をさせたもので,電磁波障害と呼ばれています。

送電線など電力設備からの電磁界により,医療機器が誤動作したという事例はありません。

参考

携帯電話の電波から医療機器等の誤動作を防止する為の指針があります。

この指針は「医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」で,郵政省が1997年4月24日に電気通信技術審議会から受けた答申「電波利用における人体防護のあり方」に記載されているものです。
この指針には,医療機関の屋内においては,携帯電話端末から発射される電波により,医用電気機器が誤動作する可能性があるとし,「検査室,診察室,病室および処置室等では携帯電話のスイッチを切ること」等の対応が望ましいと定められています。

海外で話題になっている調査・研究は?

WHOの「国際電磁界プロジェクト」があります。

WHOは,1984年に電界に関して「環境保健基準35」を発表し,
1987年には磁界に関して「環境保健基準69」を発表して,電磁界についての見解を示してきました。

現在行われているプロジェクトは,前回の見解以降に発表された研究報告を追加して,評価・検討を行うことを目的としています。

主な活動内容は次のとおりです。

  • 科学文献(電磁界に関する研究報告など)の評価・検討
  • 商用周波電磁界などの健康影響に関する研究論文の刊行
  • 電磁界に関する保健政策の指針作成

この国際プロジェクトには,日本の研究者も参加しており,1996年から2007年までの計画で進められています。

これを受けて,2006年には50Hz、60Hzを含む電磁界の環境保健基準が発表される予定です。

電磁界は測定してくれるの?

お客さまのご要望があれば、当社電力設備からの電磁界の測定を実施しております。 最寄の事業所から、お客さまと日程などを調整させていただいた上で、電磁界の測定を実施させていただきますので、お客さまのお名前、ご住所、お電話番号(平日の昼間に連絡可能な番号)、電磁界の測定を希望される場所とともに、以下からお問い合わせ下さい。

お問い合わせはこちらから

鉄塔が大きくなると電磁界も強くなるの?

鉄塔が大きくなると、電線の高さも高くなります。

電界・磁界とも距離が離れると小さくなりますので、鉄塔が大きくなっても、電界も磁界もあまりかわりません。

  • 電界は、電圧の大きさが大きくなると大きくなり、
        距離が離れると小さくなります。
  • 磁界は、電流の大きさが大きくなると大きくなり、
        距離が離れると小さくなります。

ふつう、送電線は、電圧が大きくなると電線を高くしていますので、結果として地上からの距離が離れることから電界はあまりかわりません。

また、磁界は電圧には関係がありません。

電線も太くなっていますが、距離が離れることから、電界と同じように磁界もあまりかわりません。

鉄塔3本

WHOの「国際電磁界プロジェクト」