再生可能エネルギーの普及に向けた取組み
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など、自然界に常に存在するエネルギーのことで、枯渇する心配のない、環境にやさしいエネルギーとして注目されています。
関西電力グループでは、将来にわたる電気の安定確保や、低炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの推進に積極的に取り組んでいます。
一方で、再生可能エネルギーは天候によって左右されやすいため、電力系統の周波数を一定に保つには、きめ細やかな調整が必要になります。
また、再生可能エネルギー電源を電力系統に接続する際の制約を緩和・解消するため、送電線の運用方法見直しや、送電線の増強などの取組みを進めています。
再生可能エネルギーの特徴
再生可能エネルギーの長所
- 枯渇する心配がない
- 輸入に頼らない国産エネルギー
- 発電時にCO2を排出しない
再生可能エネルギーの課題
- エネルギー密度(単位面積あたりでどれくらい発電できるか)が低いため、広い土地、大きな設備が必要となる
- 太陽光発電、風力発電などは、天候など自然状況に左右されるため、不安定。
太陽光発電の出力変動例(春季)
風力発電の出力変動例(冬季)
送配電事業者としての取組み
電気は、需要(電力使用量)と供給(発電量)のバランスが崩れてしまうと、周波数に乱れが生じ、最悪の場合は、大規模停電にもつながります。
太陽光発電、風力発電などは天候などによって出力が大きく変化するため、電気が余ったり、足りなくなったりすることがあります。
そのため、当社では、調整力のある電源(発電量の調整をしやすい、火力発電や水力発電など)を確保した上で、その出力量を変えることで、全体の需給バランスが崩れることを防いでいます。
また、再生可能エネルギーの普及拡大に向けて、地域を越えた電力量の調整による調整力拡大や、新たな再生可能エネルギーの接続申込みにも対応できるよう、送電線の運用見直し、増強などにも取組んでいます。
①需給バランスの制約への対応
電力需要が少ない季節に、再生可能エネルギーによる発電量が増えると、需要を超える電気が発生し、電気が余ることがあります。
その場合、まずは「関西エリア」など、地域ごとのエリアの中で、火力発電を減らすなどして調整を行います。
それでも電気が余る場合は、各エリアを結ぶ「地域間連系線」を使って、他のエリアに電気を送り出します。
それでも対応できない場合には、太陽光発電、風力発電の出力を制御する仕組みになっています。
②送電容量の制約への対応
送電線容量の増強
再生可能エネルギーの発電事業者が増え、系統(電力系統:発電や送配電の設備など、電力システム全体)への接続申し込みが増加しているため、送電容量の空きが少なくなってきています。
そのため、適宜、新しい送電設備を作るなど、送電容量の増強を行っています。
日本版コネクト&マネージの検討
日本の電力設備では、仮に1本の送電線が故障しても、ほかの送電線に流すことで停電を防ぐようにつくられています。
たとえば、送電線2回線のうち1回線が故障したときには、もう1回線が過重負担にならないように、平常時には、それぞれの利用率が50%(※)を超えないようにし、残りの50%は緊急用に空けておきます。
※単純な2回線とした場合の一例
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/akiyouryou.html)
こうした緊急用に空けていた容量や、発電があまり行われていない時間などの「すきま」を活用して、より多くの電気を流せるようにする制度を「コネクト&マネージ」といい、既にイギリスやアイルランドなどで導入されています。
送電容量の確保のために、新しい送電設備をつくるには、多くのコストや時間がかかります。こうした問題を緩和・解消するために、「日本版コネクト&マネージ」により、既存の系統を最大限活用することを目指します。
フリックしてご覧ください。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/akiyouryou.html)
- ①すべての電源がフル稼働した前提ではなく実際の利用率に近い想定で空き容量を算定
- ②緊急時用に空けておいた容量の一部を、もし事故が起こった時には瞬時に遮断する装置をつかうなどして、平常時には活用する
- ③他の電源が稼働している間など、系統の混雑時には制御することを前提とした新規の接続を可能とする
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