エネルギーの安定確保に対する当社の考え方

低価格で良質な電気を、安全かつ安定的にお届けすることが当社の使命です。

そのためには、地球環境の問題や、エネルギー資源の少ない日本でいかに安定的に資源を確保するかなど、様々な課題があります。

これらの課題を解決していくために、「S+3E」の同時達成と、「エネルギーミックス」の視点が大切だと当社は考えています。

S+3E

「S+3E」とは、「安全を最優先に、電気を安定的に、できるだけ安い価格で、環境に配慮して提供することが重要である」という考え方であり、現在の日本のエネルギー政策の基本となっています。

Sは安全確保(Safety)であり、3Eは、

  • エネルギーの安定供給(Energy Security)
  • 経済性(Economy)
  • 環境保全(Environmental Conservation)

を表しています。

資源の少ない日本で、「S+3E」を同時達成するためには、さまざまなエネルギー資源を組み合わせて電気をつくる「エネルギーミックス」が重要です。

エネルギーミックス

火力、水力、原子力などさまざまな発電方法がありますが、それぞれ、長所や短所を持っています。複数の方法を組み合わせることによって、それぞれの短所がカバーされ、安定的な電気の供給が可能になります。

各発電方法の特徴

各発電方法には、安定的な供給、環境問題、経済性(発電コスト)、安全性など、それぞれの側面で長所と短所があります。

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安定供給 CO2排出 経済性(1kWhあたりのコスト) その他
原子力 ・燃料の埋蔵地域が世界に広く分布
・燃料をリサイクルできる
・備蓄性に優れる
なし
(発電時)
10.1円~ 徹底した安全確保、放射線管理、廃棄物の適切な処分が必要
太陽光 ・資源が枯渇するおそれがない
・自然条件に左右される
29.4円 広い土地が必要
風力 21.6円
水力 11.0円 新たに建設できる土地が少ない
石炭火力 燃料の埋蔵地域が世界に広く分布 あり 12.3円 消費量の増加や中東の政情不安、投機活動など、世界的な資源価格の変動により発電コストが大きく左右される
天然ガス火力 燃料の埋蔵地域の偏りが小さい あり 13.7円
石油火力 燃料の埋蔵地域が偏っている あり 30.6~43.4円

※コストは発電コスト検証ワーキンググループ「長期エネルギー需要見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」(2015.5.26)をもとに作成

現在、日本では化石燃料による火力発電への依存度が高くなっていますが、「S+3E」の同時達成の観点からは、燃料の価格安定性や備蓄性などに優れた原子力も一定の役割を果たす重要な電源です。

電力需要にあわせた電源の組み合わせ

1日の時間帯や季節によって、電力使用量には大きな差があります。
電力会社では、電力需要にあわせて、「ピーク電源」「ミドル電源」「ベースロード電源」の3つを組み合わせながら、電気を供給する量を調整しています。

ピーク電源
発電コストは高いが、電力需要によって出力を調整しやすい(石油火力など)
ミドル電源
発電コストはベースロード電源の次に安価。電力需要によって出力が調整しやすい(天然ガス火力など)
ベースロード電源
発電コストが低廉で、安定的。昼夜を問わず継続的に稼働(原子力や石炭、一般水力など)

総合資源エネルギー調査会原子力小委員会配布資料「第4次エネルギー基本計画及び今後の原子力政策の検討」(2014.6)をもとに作成

2030年度のエネルギーミックス

政府による「エネルギー基本計画」では、2030年度には、「ベースロード電源」である原子力・石炭火力・水力などの電源構成比率が、あわせて56%程度になると考えられています。
その中でも原子力は、20~22%程度と、一定の割合を確保すると示されています。

また、再生可能エネルギーの導入に関しては、現時点では、安定供給面、コスト面などでさまざまな課題があります。しかし、今後積極的に推進することで、2030年度には、22~24%の割合を目指すと示されています。

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総合資源エネルギー調査会基本政策分科会配布資料「エネルギー基本計画策定後の動向と今後の対応の方向性について」(2018.12)をもとに作成