おくりんの電気教室

エネルギーの資源・情勢

みなさんがふだん使うエネルギーには、電気や都市ガス、プロパンガス、ガソリンなどがあります。これらは、最初から存在しているものではなく、「原料」となるものがあり、それを生活の中で使いやすいように作りかえたものなんです。
その「エネルギーのもと」になるものについて見ていきましょう。

エネルギー資源とは?
エネルギー資源とは?

エネルギー資源

「エネルギーのもと」となるものを「エネルギー資源」と呼び、石油や石炭、風力、水力などがこれにあたります。そのうち、石油や石炭など、大昔の動物や植物が形を変えたものを「化石エネルギー」、それ以外を「非化石エネルギー」(風力や水力など)と呼びます。

エネルギー資源の特徴(とくちょう) 

エネルギー資源にはさまざまな種類がありますが、それぞれの資源はどのような特徴を持っているのでしょうか? 日本が利用する場合の長所と短所を見ていきましょう。

フリックしてご覧ください。

資源 長所 短所

石油

・液体で運びやすく貯蔵もしやすい ・日本ではとれない
・とれる場所が世界中で中東地域にかたよっている
・価格が変わりやすい
・燃やすと二酸化炭素などが出る

石炭

・資源の量が豊富で、埋蔵(まいぞう)場所は世界に広くある(昔は日本でもとれた)
・価格が安い
・日本ではとれない
・固体で運びづらい
・燃やすと二酸化炭素などが出る

天然ガス

・液体にすると体積が小さくなり運びやすい
・埋蔵場所が世界中に分散している
・石油、石炭より二酸化炭素を出す量が少ない
・日本ではとれない
・日本に運ぶためには液体にする必要があるが、液体にするには大きなエネルギーが必要で、液体にする設備がとても高い

ウラン

・埋蔵場所が世界に広くある
・利用しても二酸化炭素が出ない
・放射線の厳重な管理が必要
・利用した後の廃棄物(はいきぶつ)の適切な処理、処分が必要

・自然のエネルギーであり、日本でもとれる
・なくなるおそれがない
・利用しても二酸化炭素が出ない
・自然環境(かんきょう)に左右される

・自然のエネルギーであり、日本でもとれる
・なくなるおそれがない
・利用しても二酸化炭素が出ない
・自然環境に左右される
・一度に大きなエネルギーを生み出すことができない

太陽光

・自然のエネルギーであり、日本でもとれる
・なくなるおそれがない
・利用しても二酸化炭素が出ない
・自然環境に左右される
・一度に大きなエネルギーを生み出すことができない
  • 環境への影響(えいきょう)や価格、安定して手に入れることができるかなどを考えて、いろいろなエネルギー資源をバランスよく組み合わせて使うことが大切です。

エネルギー資源の有限性
エネルギー資源の有限性

世界のエネルギー資源の埋蔵量

石油や石炭、天然ガスなどの化石エネルギーは微生物(びせいぶつ)の死がいや枯(か)れた植物などが海や湖の底にたまり、何億年という時間をかけて変化しできたもので、その量には限りがあります。
今のペースで使い続けると、最も多い石炭でもあと132年、石油や天然ガスではわずか50年(※)ほどと言われています。(※日本原子力文化財団、原子力・エネルギー図面集より。2019年末時点)

世界のエネルギー消費量の移り変わり

世界で最も多く使われているエネルギー資源は、最も残り少ないと考えられている石油で、次に石炭、天然ガスという順番です。
太陽光や風力、水力など自然のエネルギー資源の利用も増えていますが、まだ多くを石油・石炭・天然ガスという化石燃料にたよっています。
さらに、2040年には世界のエネルギー消費量は今の約1.4倍になると言われており、化石エネルギーの量はますます減ることが予想されています。

日本のエネルギー自給率

日本は、世界で4番目に多くエネルギー資源を使う国です。しかし、日本国内でエネルギー資源をまかなっている割合(エネルギー自給率)は、わずか11.8%(資源エネルギー庁より。2018年時点)。日本では石油や石炭などの化石エネルギーはほとんどとれず、海外から輸入しているため、先進国のなかでも特に低いエネルギー自給率になっています。

おくりんからのコメント

化石エネルギーって有限なんです。みなさんや未来の子どもたちがこれからも地球で暮らしていくためには、今からエネルギーの使い方を考えていくことが必要です。
エネルギーのムダづかいをしていないか、日ごろの生活を見返してみてくださいね。