おくりんの電気教室

電気の種類と性質

みなさんは電気のことをどれくらい知っていますか?
あまり知られていない電気の種類や性質、特徴(とくちょう)について紹介(しょうかい)します。これを知れば、みなさんも「電気の妖精(ようせい)」に一歩近づけるかも…?

直流と交流とは
直流と交流とは

家のコンセントから流れる電気も、理科の実験で使う乾電池(かんでんち)から流れる電気も、同じ電気ですが、実はこの2つの電気には少し違いがあります。乾電池は「直流」、コンセントの電気は「交流」で、その流れ方が違うのです。
直流とは、電気が線の中を流れるとき、その向きや大きさ(電流)、勢い(電圧)が変化しない電気の流れ方をいいます。たとえば、電池に豆電球をつないで光らせたとき、勝手にプラスがマイナスになることはなく、流れている電気は常に一方通行で変化しません。
一方、交流とは、電気の流れる向きや大きさ、勢いが変化しながら流れる流れ方です。プラスになったりマイナスになったりをくり返して、同じリズムで電気が向きを交互(こうご)に変えながら流れます。コンセントをさすときは、プラグをどちらの向きにさしても使えるのは、コンセントから流れる電気が交流だからです。

周波数とは
周波数とは

周波数とは、交流の電気の流れる向きが1秒間入れかわる回数のことで、単位はヘルツ(Hz)が使われます。例えば、60Hzの電気では、1秒間に60回電気の流れの向きが変わっていることになります。
この周波数、日本では西日本では60Hz、東日本では50Hzとなっていることを知っていますか? その理由は、明治時代にまでさかのぼります。
日本で電気が使われるようになった明治時代のこと、発電機を外国から輸入するときに、大阪ではアメリカから、東京はドイツから輸入しました。ところが、アメリカの発電機は周波数が「60Hz」、ドイツの発電機は周波数が「50Hz」の電気をつくる発電機だったので、大阪と東京を中心に「60Hz」と「50Hz」の2つの周波数の電気がつくられるようになり、そのまま全国に広がってしまいました。

  • 西日本と東日本では周波数がちがうんですね。今では家電製品の多くは50Hzでも60Hzでも使うことができますが、昔は周波数のちがいで機器がこわれたり、性能が悪くなったりしたそうですよ。

電気は貯められない?
電気は貯められない?

乾電池のように小さな電気は貯めることができますが、もっとたくさんの量になると、電気は貯めることができません。
そのため、“作る電気”と“使う電気”が同じ量になるように調整する必要があります。このバランスがくずれると電気の品質(周波数)が不安定になったり、最悪の場合は大規模な停電発生につながります。

1日の電気の使用量の変化
1日の電気の使用量の変化

“作る電気”と“使う電気”が同じ量になるように調整するため、電力会社は電気を使用する量を予測して、電気を作る量を調整しています。
たとえば、1日のなかでも、人々が活動する昼は使用量が大きく増えますが、みなさんがねる夜には少なくなります。そのため、火力発電や水力発電などのそれぞれの特徴を生かして組み合わせ、発電量を調整しています。

  • 電気の使用量を予測しながら、発電量の調整を行い、電気の需要(じゅよう)と供給を常に合わせるというのが、関西電力送配電の大切な役割の1つなんです。

おくりんからのコメント

電気は24時間365日、関西電力送配電をはじめとした電力会社が常に使用量に合わせて送られているんですね。安定した電気の背景には、こうした見えない取組みがあったんですね。でも、それが安定した電気には必要不可欠なんです。